神様修行はじめます! 其の二

彼の熱のこもった視線。

それを受け止めながら、あたしは夢のようで。

張り裂けそうな鼓動と幸福感に翻弄される。


まさか本当に? これは夢?

あたしは幻を見ているの?

信じられない。

彼が・・・


彼があたしに恋してる・・・。


ううん、夢じゃない。これは現実。

眩暈がしそう。幸せすぎて。

やっと、やっと手が届く。


彼の冷たい氷の向こうの真実の花に。


このあたしの両手で、抱きしめる事ができる。

やっと、やっと。

数々の苦難を乗り越えてやっと。


想いを通わせ合う事が、今、叶った・・・。


「天内君、教えてくれ・・・」

「門川君・・・」

「この気持ちがなんなのかを・・・」


うん、伝えるよ。今。

言葉にできないこの気持ちを、今。

ふたりで確かめ合いたい。


切なげにあたしを見つめる彼の目。

あたしは、求めるようにそっと両目を閉じる。

彼が息を呑んだ。

そして、ためらいがちにあたしの両肩に手を乗せる。


唇を・・・あなたに・・・。

あたしの初めてのキスを、あなたに・・・。


どうか奪って欲しい。

そして確かめて欲しい。

熱いあたしの感情を。

門川君・・・・・。


あたし、あなたを愛してる・・・・・。