「これ、動くんじゃないよ。手足がだめになっちまってるんだ。まともに動けやしないんだから」


手足がダメになって!?

そんな! しま子大丈夫!?

いったいどんなヒドイ目に遭わされたの!?

しま子、しま子・・・!

あたしは涙声になってしま子の名を呼んだ。


「しま子、しま子ぉ・・・」

「うあぁぁ~~・・・・」

「ふたりして泣くんじゃないよ。まったく」


するするする・・・と音がして主さんが近づいてきた。


「あたしの専門は退魔なんだよ。治癒はあんまり得意じゃないんだけどねぇ」

そう言いながら門川君の様子を伺い始めた。

「あぁこりゃまずいね。三途の川を渡りかけてるよ、この子」


ちょ・・・! か、門川君!!

だから笑顔にだまされちゃダメだって言ったのに!!

そっち行っちゃだめ! 戻ってきて!!

門川君っっ!!!


主さんの背中の金の筋が光り始めた。

小さく、でも柔らかくて温かい光。

その光に照らされてしばらくすると門川君の意識がぼんやりと戻ってきた。


「・・・・・」

「門川君しっかりして。大丈夫?」

「天内・・・君・・・?」

「あぁ、良かった・・・!!」