ここで死んじゃうわけにはいかないよ。

どうにかして助けを呼ばなきゃ。

でも、もう指一本動かない。


「門川君、門川君・・・・」

「・・・・・・・」

「返事してっ。門川君っ」

「・・・・・・・」


あたしの呼びかけに応える様子が無い。

どうしよう。門川君が死んじゃう!

彼がここで死んでしまったら、全ての意味が無くなってしまう!


あたしが守らなきゃ。

でなきゃみんなに会わせる顔が無い。

でもどうすればいいの?

どうしよう、どうしよう。

どうし・・・


「おや、やっと帰ってきたのかい?」


その声に目線を上げると、白ヘビの主さんがすぐ側にいた。

「あ・・・主さん・・・」

「やれやれ、あっちもこっちも半分死人ばかりだねぇ」


向こうの木に、しま子がグッタリともたれ掛かって座っていた。

意識があるのか無いのか、目を閉じてピクリとも動かない。

全身が血まみれで。

おまけになんだか、腕や足が変な方向に曲がってるみたい。


「し、しま子・・・しま子・・・」

「う・・・あぁ~~・・・」


あたしの声に反応して、しま子が薄っすらと目を開けた。

よかった、生きてる。

あたしを見つけて、こっちに来ようとモゾモゾ体を動かしてる。

でもそのままドサッと地面に倒れてしまった。