霞んでぼやける視界の端に、人影が映った。
・・・・・奥方っ!!?
ふらふらと今にも倒れそうな奥方が、部屋から逃れて行くのが見えた。
まだ生きている!!
「門川君! 奥方が・・・!」
「・・・・・!?」
門川君が振り向いて目を見張った。
なんてこと! あの傷で、あの体でまだ動けるなんて!
まだ終わっていない! 終わっていなかった!
奥方が・・・逃げてしまう!
「門川君、追って!」
あたしは叫んだ。
門川君はあたしを見た。
その目は心配と不安に満ちている。
「大丈夫。あたしも一緒に行くから!」
その言葉に彼はうなづき、ヨロリと立ち上がった。
刀を畳から引き抜き、ふらつく足取りで奥方の後を追う。
あたしも両手両足に力をこめて必死に立ち上がる。
行かなきゃ。追わなきゃ。
終わらせなければならない。
終焉を見届けなければならない。
こんな所で倒れてなんかいられない。
がくりと足から力が抜けて、胸に激痛が走った。
血の臭いが口の中に広がる。ムカムカする。
う・・・こんな・・・
こんな所で・・・
畳にギリリと爪を立てた。
倒れてたまるかぁっ!
根性見せろっ!! あたしの体――っ!!
あたしは立ち上がり、門川君の後を追った。
・・・・・奥方っ!!?
ふらふらと今にも倒れそうな奥方が、部屋から逃れて行くのが見えた。
まだ生きている!!
「門川君! 奥方が・・・!」
「・・・・・!?」
門川君が振り向いて目を見張った。
なんてこと! あの傷で、あの体でまだ動けるなんて!
まだ終わっていない! 終わっていなかった!
奥方が・・・逃げてしまう!
「門川君、追って!」
あたしは叫んだ。
門川君はあたしを見た。
その目は心配と不安に満ちている。
「大丈夫。あたしも一緒に行くから!」
その言葉に彼はうなづき、ヨロリと立ち上がった。
刀を畳から引き抜き、ふらつく足取りで奥方の後を追う。
あたしも両手両足に力をこめて必死に立ち上がる。
行かなきゃ。追わなきゃ。
終わらせなければならない。
終焉を見届けなければならない。
こんな所で倒れてなんかいられない。
がくりと足から力が抜けて、胸に激痛が走った。
血の臭いが口の中に広がる。ムカムカする。
う・・・こんな・・・
こんな所で・・・
畳にギリリと爪を立てた。
倒れてたまるかぁっ!
根性見せろっ!! あたしの体――っ!!
あたしは立ち上がり、門川君の後を追った。


