大きく肩と胸を上下し、美しい顔立ちも頭から血塗れている。
着物はズタズタに切り裂かれ、もろ肌があらわになってしまっている。
しなやかな腕や胸も、全身が傷で埋め尽くされて・・・。
足元まで自身の血でまみれて真っ赤に染まっていた。
悲惨で凄惨な姿。
真っ白で何も考えられないあたしの頭。
でもその姿だけはハッキリと認識できた。
門川君の姿だけは、はっきりと・・・。
「天内・・・く・・・」
赤い指先が伸びて、血だらけの両手があたしを抱き寄せた。
白い輝きが放たれる。
それは弱々しく、今にも消えそうな光りだった。
まるで蛍の光のように頼りなげに点滅する。
消えかけては振り絞るように、また光り始める。
・・・門川君、もう消耗しきっている。
なのに、なのにあたしに治癒の術を・・・。
門川君、門川君、門川君。
真っ白で空っぽな胸に感覚が甦ってくる。
彼を守れたのが嬉しい・・・。
彼が守ってくれてるのが切ない・・・。
「門川君・・・!」
動かなかったあたしの両腕に、温かい何かが通った。
そして彼の体を包み込む。
血でべったりと湿った感触。
ぎゅっと抱きしめ、あたしは彼の名を呼んだ。
門川君、門川君・・・!
涙があふれて視界が霞んだ。
唇がふるふると震える。
「天内君・・・」
万感の想いを込めて、あたしの名を呼ぶ門川君。
あたしは、声を上げて泣いた。
着物はズタズタに切り裂かれ、もろ肌があらわになってしまっている。
しなやかな腕や胸も、全身が傷で埋め尽くされて・・・。
足元まで自身の血でまみれて真っ赤に染まっていた。
悲惨で凄惨な姿。
真っ白で何も考えられないあたしの頭。
でもその姿だけはハッキリと認識できた。
門川君の姿だけは、はっきりと・・・。
「天内・・・く・・・」
赤い指先が伸びて、血だらけの両手があたしを抱き寄せた。
白い輝きが放たれる。
それは弱々しく、今にも消えそうな光りだった。
まるで蛍の光のように頼りなげに点滅する。
消えかけては振り絞るように、また光り始める。
・・・門川君、もう消耗しきっている。
なのに、なのにあたしに治癒の術を・・・。
門川君、門川君、門川君。
真っ白で空っぽな胸に感覚が甦ってくる。
彼を守れたのが嬉しい・・・。
彼が守ってくれてるのが切ない・・・。
「門川君・・・!」
動かなかったあたしの両腕に、温かい何かが通った。
そして彼の体を包み込む。
血でべったりと湿った感触。
ぎゅっと抱きしめ、あたしは彼の名を呼んだ。
門川君、門川君・・・!
涙があふれて視界が霞んだ。
唇がふるふると震える。
「天内君・・・」
万感の想いを込めて、あたしの名を呼ぶ門川君。
あたしは、声を上げて泣いた。


