右手に持った扇子を受け止めれば、すぐさま左手の扇子が襲い掛かる。
上から、下から、左から、右から。
左右の扇子が生き物のように躍った。
まさに、扇舞。
身をかがめ、立ち上がり、回転する。
無駄の無い完璧な動作。
奥方が動くたびに、艶やかな着物が風に吹かれるように膨らみ動く。
その姿はまるで激しい舞を舞っているようだ。
門川君は懸命に扇子を受け止め攻撃をかわす。
鋭い音、鈍い音、様々な金属音がそのたびに響いた。
あたしは声も出せずに見守った。
あまりにも奥方の動きが素早すぎる!
ヘタに声を掛けたりして彼の集中が逸れたら、その瞬間に切り殺されてしまいそうだ!
奥方! けっこうなトシのくせしてやたら身が軽い!
門川君も意外なほど見事な剣さばきで応戦してるけど・・・。
劣勢なのは明らかだ。
剣舞を専門に修練した相手との技量の差だ。
じりじりと彼が後退し始める。
ピッ・・・!
その彼の頬に、一筋の赤い線が走った。
たらりと血が垂れる。
・・・・?
ピッ・・・ピシッ・・・
その音がするたびに着物や袴が切れる。
そして彼の体に赤い血の線が走る。
・・・なんで!? 門川君は確かに扇子を受け止めてるのに!?
なんで切られているの!?
上から、下から、左から、右から。
左右の扇子が生き物のように躍った。
まさに、扇舞。
身をかがめ、立ち上がり、回転する。
無駄の無い完璧な動作。
奥方が動くたびに、艶やかな着物が風に吹かれるように膨らみ動く。
その姿はまるで激しい舞を舞っているようだ。
門川君は懸命に扇子を受け止め攻撃をかわす。
鋭い音、鈍い音、様々な金属音がそのたびに響いた。
あたしは声も出せずに見守った。
あまりにも奥方の動きが素早すぎる!
ヘタに声を掛けたりして彼の集中が逸れたら、その瞬間に切り殺されてしまいそうだ!
奥方! けっこうなトシのくせしてやたら身が軽い!
門川君も意外なほど見事な剣さばきで応戦してるけど・・・。
劣勢なのは明らかだ。
剣舞を専門に修練した相手との技量の差だ。
じりじりと彼が後退し始める。
ピッ・・・!
その彼の頬に、一筋の赤い線が走った。
たらりと血が垂れる。
・・・・?
ピッ・・・ピシッ・・・
その音がするたびに着物や袴が切れる。
そして彼の体に赤い血の線が走る。
・・・なんで!? 門川君は確かに扇子を受け止めてるのに!?
なんで切られているの!?


