滅火の炎が消え去った。
お兄さんと秋風さんを連れて。
伝わる事の無かった、語られる事の無かった想いも抱えて。
あたしと門川君は、強く強く抱きしめ合った。
お互いの体を支え合う指に力がこもり、震える。
歯を食いしばって・・・泣いた。
そうしなければ、ノドが潰れるほど大声を上げて泣き叫んでしまいそうだった。
わずかでも、救いになれたのだろうか?
お兄さんも秋風さんも、わずかでも救われた気持ちで逝けたのだろうか?
そればかりが頭をよぎる。
どうかほんの、ほんのわずかでも・・・。
「・・・逝ったか」
あたしの耳に、その声が聞こえた。
涙でグシャグシャの顔を上げて声の主を見た。
お白粉の塗られた能面のような顔を。
紅い唇から抑揚の無い声が漏れる。
「使えぬやつらじゃ。ふたり揃って」
あたしの心の中が荒れ狂う。
悲しみと、怒りと、憐れみと、色々な感情が混じり合って出口を求めて暴れている。
「使えないって・・・なによ、それ」
「言うたはずじゃ。子は親の道具。役に立たねば存在する意味など無い」
・・・・・。
この人に、何を言っても無駄なのだろう。
この人自身が、完全に親の道具として生きてきたんだから。
それ以外の価値を絶対に認めないように、徹底的に仕込まれて育ったんだから。
でも・・・。
お兄さんと秋風さんを連れて。
伝わる事の無かった、語られる事の無かった想いも抱えて。
あたしと門川君は、強く強く抱きしめ合った。
お互いの体を支え合う指に力がこもり、震える。
歯を食いしばって・・・泣いた。
そうしなければ、ノドが潰れるほど大声を上げて泣き叫んでしまいそうだった。
わずかでも、救いになれたのだろうか?
お兄さんも秋風さんも、わずかでも救われた気持ちで逝けたのだろうか?
そればかりが頭をよぎる。
どうかほんの、ほんのわずかでも・・・。
「・・・逝ったか」
あたしの耳に、その声が聞こえた。
涙でグシャグシャの顔を上げて声の主を見た。
お白粉の塗られた能面のような顔を。
紅い唇から抑揚の無い声が漏れる。
「使えぬやつらじゃ。ふたり揃って」
あたしの心の中が荒れ狂う。
悲しみと、怒りと、憐れみと、色々な感情が混じり合って出口を求めて暴れている。
「使えないって・・・なによ、それ」
「言うたはずじゃ。子は親の道具。役に立たねば存在する意味など無い」
・・・・・。
この人に、何を言っても無駄なのだろう。
この人自身が、完全に親の道具として生きてきたんだから。
それ以外の価値を絶対に認めないように、徹底的に仕込まれて育ったんだから。
でも・・・。


