「兄上・・・」
門川君が、万感迫る声でお兄さんに呼びかける。
炎の中のお兄さんに、その声は届いてはいない。
でも門川君は、何度も何度も呼びかけた。
「兄上、兄上、兄上・・・」
お兄さんは・・・門川君の事をずっと大切に思っていたんだ。
あの約束も忘れてはいなかった。
自分が当主になって、弟を守ってみせると誓った約束を。
お兄さんが門川君に嫉妬していたのは、本当なんだと思う。
ノドから手が出るくらい欲しいと思っている力を持っている弟。
うらやましくて妬ましくて、仕方なかったんだと思う。
でもそれは当然だ。
嫉妬とか、羨望とか、ねたみとか。
そんなの、あって当然の感情だ。だって人間なんだもの。
それを責める権利のある人間なんて、どこにもいない。
でもお兄さんは、門川君を思う気持ちも忘れていなかった。
弟を守りたいって気持ちだって、間違いなく彼の真実なんだ。
人の心は機械じゃないもの。
たくさんの複雑な扉を持っている。
妬んで、嫉妬して・・・
それでも、泣いて自分の名を呼ぶ声を聞けば、必死に駆けつけようとする。
それでいいんだ。
どちらも両方が真実の心なんだ。
それが人の姿なんだ。
それでいい・・・。
それだけで充分なんだ。
だってほら、門川君は・・・
こんなにも救われた顔をしているんだから。
門川君が、万感迫る声でお兄さんに呼びかける。
炎の中のお兄さんに、その声は届いてはいない。
でも門川君は、何度も何度も呼びかけた。
「兄上、兄上、兄上・・・」
お兄さんは・・・門川君の事をずっと大切に思っていたんだ。
あの約束も忘れてはいなかった。
自分が当主になって、弟を守ってみせると誓った約束を。
お兄さんが門川君に嫉妬していたのは、本当なんだと思う。
ノドから手が出るくらい欲しいと思っている力を持っている弟。
うらやましくて妬ましくて、仕方なかったんだと思う。
でもそれは当然だ。
嫉妬とか、羨望とか、ねたみとか。
そんなの、あって当然の感情だ。だって人間なんだもの。
それを責める権利のある人間なんて、どこにもいない。
でもお兄さんは、門川君を思う気持ちも忘れていなかった。
弟を守りたいって気持ちだって、間違いなく彼の真実なんだ。
人の心は機械じゃないもの。
たくさんの複雑な扉を持っている。
妬んで、嫉妬して・・・
それでも、泣いて自分の名を呼ぶ声を聞けば、必死に駆けつけようとする。
それでいいんだ。
どちらも両方が真実の心なんだ。
それが人の姿なんだ。
それでいい・・・。
それだけで充分なんだ。
だってほら、門川君は・・・
こんなにも救われた顔をしているんだから。


