神様修行はじめます! 其の二

炎の中で苦しげに身動きするお兄さんの声が聞こえる。

永久・・・永久・・・。



いつもいつも悲しそうに泣いてばかりの、僕の弟。

強大な力をもつが故に、苛烈な人生を強いられた弟。


正直、その力を妬ましく思っていた。

僕には無いものを持っている弟を。

我が身の情けなさと比較するたびに、うらやましくてうらやましくて・・・仕方なかった。


でも・・・

その弟を愛し、不憫に思う気持ちもまた、僕の紛れも無い真実だった。


こっそりと隠れ、ひっそりと泣く姿を見るたびに、哀れでならない。

胸がかきむしられるように痛んだ。


兄なのに何もしてやれない自分。

ただひたすらに弟の無事を祈り続けた。


春の花を見ては、弟にも見せたいと思い

夏の雨に、弟が濡れているのではと案じ

秋の風に、きっと再び会える日を信じて

冬の雪に、穢れの無いあの魂の無事を祈る


巡る季節を、幾度も幾年も、小さな窓から想いを込めて・・・

どうかどうか、たったひとりの弟が無事でありますようにと請い願う日々。


いつかきっと、あの約束が果たせますようにと繰り返し祈る。


なんの応えも得られぬ歳月を、ただそうして過ごし続けて・・・

我が身のふがいなさと、そして永久・・・

お前と肩寄せ合った短い日々を、切なく思い出す。