神様修行はじめます! 其の二

あの純粋な心を。

穏やかで慈悲深かった精神を。

限りなく崇高な志を。

今度こそ守ってみせる。


後悔にさいなまれ、自分を責め、世界を呪い続けた。

もう二度と同じ過ちは繰り返さない。


「もう二度と永継様を失いたくはないのだ」

「・・・・・」

「どうか守らせてくれ。わたしに」


振り返った秋風さんの頬は、薄黒く変色していた。

真っ白な雪のような秋風さんの肌が・・・。


「他の誰に理解されずとも、お前だけは分かってくれるはずだ。・・・天内の娘よ」


秋風さん・・・。

腐敗の痛みとは違う痛みが、あたしの全身に走る。

哀しく苦しい切なさに体中を締め付けられる。


分かるよ、秋風さん。

守りたいんだね? 救いたいんだね?

それはあなたにとって、絶対に譲る事のできない想いなんだよね?


その想いを叶える手伝いができるのはあたしだけ。


ほんのわずかでも、それがあなたの救いになるのなら・・・。


あたしの胸は熱くなり、そして・・・

ドクンと、強く脈打った。

天内の血が滾りだす。

激痛が走り、咳き込む。口を覆ったあたしの手から血がこぼれた。


「天内君!」

「門川君、お願い力を貸して」

「・・・・・」

「救うために・・・」