「隠し事なんてね、後ろめたい事が無きゃやらないのよ」

「・・・・・っ」

「気づいて無いだろうけど、あんたの言ってる事って全部ムチャクチャ」


ただの、こじつけ。

幼稚園児のケンカの方が、まだ理屈があるわよ。

お偉い神様の割りに知能指数が低いのね。


「下賎な者に神の事情など理解できぬのじゃ!」

「都合が悪くなると『神』に逃げるのね」

「逃げてなどおらぬわ!」

「収拾つかなくなっちゃった事を、全て『神』に丸投げして知らん振りしてるだけじゃないの」


そりゃ収拾つかなくもなるわよね。

罪を逃れようとする犯罪者が、その場の思いつきで言い訳するのと同じだもの。

先へ進めば進むほどボロが出る。

そのうち、自分でも何言ってるのか分かんなくなって・・・。

で、困った時の『神』頼みか。


頼られた神様も、たまったもんじゃないわよ。


「自分で何とかすりゃいいじゃないの。あんた、神なんでしょ?」

「・・・・・・・っ」

「今のあんたを見てたら、とても神様とは思えないけどね」


白く塗られたお白粉から透ける、怒りで染まった頬。

釣り上がった眉、眉間の深いシワ。

血走って赤い両目、ピクつく頬。

ぎりりと噛み締められる紅い唇。