神様修行はじめます! 其の二

「・・・狂ってる」

「しょせん、お前も人の子。真の神の母たるわらわの意思など、理解も及ぶまい」

「狂ってるよ」

「お前の罪では無い。お前は神では無いだけじゃ」



やっと分かった気がする。

なぜ、こんな事が起きてしまったのか。

どうしてこんな悲劇が生まれたのか。


殺された娘達。

醜い後継者争い。

苛烈な人生に投げ込まれた門川君。

計略に巻き込まれ、自ら命を断った永世おばあ様。


非業の最期を遂げたお兄さん。

人生を狂わされた秋風さん。

血と涙を流し、犠牲を強いられた権田原の民達。


「・・・全て、これは全てあんた達の過ちなんだよ」


狂ってしまったんだ。

最初から。

奥方が生まれた時から。


過ちだけを抱え込み、全員がそれに目をつぶった。

途中で引き返す事もせず、真実から目を逸らし続けた。

そして罪を化け物のように膨れ上がらせた。


譲ってはならないものを、あんた達は取り違えてしまったんだ。


あんた達は望むものを間違えた。

成すべき事を誤まったんだ。