神様修行はじめます! 其の二

この女は・・・

下劣で最低!

史上最悪のおぞましい生物だ!

あんたは、あんたは・・・


「あんたなんて人間じゃない!」

「当然じゃ。わらわは人などでは無い」

笑っていた奥方が、一変して不機嫌になった。

そして能面のような無表情になる。


「わらわは、真の神の末裔たる門川一族の母なるぞ。人などと比べるとは言語道断」


感情の無い目で、一段高いところから見下ろす姿。

まるで天上の神が、人間を見下ろしているように。


完全にあたし達を、人を見下している。

バカにしてるとかって意味じゃなくて。


自分が同じ人間だとは、微塵も思っていないんだ。

本気で自分の事を、人間とは違う特別な存在だと信じきってる。


この人は、本当に完全にイカレてしまっている。


イカレ女なんかと話しても無駄だ。

それは分かってるけど言葉が止まらない。

言ってやりたい事が山ほどあり過ぎて、口から飛び出してしまう。


「確かにそうね。我が子を道具扱いするなんて、人間にはとてもできないもの!」

あたしの嫌味を眉ひとつ動かさずに受け止める。


「当然じゃ。子は親の道具。役に立たねば存在する意味など無い」

「あんたって、一体いつからそんな歪んだ思考に陥ったの!?」


いくらなんでも最初から悪魔だったわけじゃないでしょ!?

一応あんただって、オギャアと生まれた時くらいはまともな人間だったはず!

人間だった時の記憶は無いわけ!?