神様修行はじめます! 其の二

いや! 違う!

この女はそんなもんじゃ済まない!


「あんたなんかと同列に扱ったら、ゴキブリ達に申し訳ないわ!」


よくもここまで残忍な仕打ちができるわね!

ここまでやりたいの!?

そんなにまで彼を踏みにじりたいの!?

傷付けて踏みつけて、追い落として叩きのめして、引き千切りたいの!?


門川君に対しては、まだ、分かる。

絶対に絶対に許せはしないけれど、まだ、分かる。

でも、なんで・・・


お腹を痛めた我が子にまで、こんな仕打ちができるのよ!?


首をくくって非業の最期を遂げた我が子。

なのに弔いもせず、埋葬すらせず。

ミイラになるまで晒して利用して。


それでも、お兄さんは静かに過ごしていたのに。

自分を愛してくれる秋風さんとふたりで、やっと静かな時を過ごしていたのに。


こんな場所まで引きずり出して!

恨みと憎しみに全身を汚染させて!

死んでまでも苦しめて!


かつて強く結ばれていた兄弟を、その宝物のような思い出を・・・

決定的に破壊した!


「そんなに楽しい!? 嬉しい!?」

こんな事が望みなの!?


「こんな事して、あんたは本当に幸せなのか!?」


あたしの振り絞るような問いかけに奥方は・・・


歯が見えるほど高らかに、笑った。