しま子、あたしもすごく誇らしい。

しま子と出会えて仲間になれたことが。

しま子はあたしの、あたし達の誇りだよ。


ありがとう、しま子・・・!


「ほらほらお行きよ。早くお行きったら。愚図だねぇまったく」

「うああぁ~~」

「さぁ天内君」

「うん! ありがとう主さん! しま子!」

「だから別にあんた達のためじゃないよ」


走り出したあたし達の背中に、主さんの声が聞こえる。


「あ、ちょいと、門川の坊や」

「・・・なんだ?」

「一応、これだけは言っておくよ」

「・・・・・?」

「全ての命ってのはね・・・」


しま子と並び、鬼達に向かいながら主さんは言葉を続ける。


「生まれるべくして生まれてくる。そういうもんさ」


ピクリと、門川君が震えた。


「生まれてきて良かったのか、なんて頭の悪い事を考えるもんじゃないよ」

「・・・・・」

「まったく人の子ってのは、愚かで無知だねぇ」


門川君は・・・何も答えなかった。

唇を、きゅっと結んで。


そして黙ったまま、主さんに目礼した。


彼はあたしの手をとり、まっすぐ走り出す。

渡り廊下へ上がって、奥方の部屋へ向かって進む。


あたし達は行くべき場所へ向かって、一気に突き進み始めた。