「今日もまた、無粋なものを連れてるじゃないか」
鬼達を見ながら、主さんがちょっと呆れたような声を出す。
鬼達はなんだか、ものすごく嫌なものを見るように主さんを眺めている。
怨霊たちの時みたいに、逃げ出すまではいかないんだけれど。
ずりずりと後ずさりながら、こちらを遠巻きにしてる。
そして気を取り直したように、主さんに向かって威嚇の声を上げて・・・
「ちょいとお黙りっ」
と一喝されて、また後ずさった。
その様子を見ながら、主さんはふぅっと息をつく。
「あんたらゲテモノ好きなのかい?」
「別に好きな訳でも、連れ歩いているわけでも無い」
「そのこましゃくれた物言いは、門川の者だね?」
「君が、沼に住み着いているという白ヘビか?」
するするっと門川君の足元に主さんが近づいてきた。
そして首をもたげて、門川君を下からしげしげと見つめる。
門川君と主さんは、少しの間見つめ合った。
「人の子にしては、有らざるほどの力を持って生まれてきたね」
「・・・わからない」
「尋常ならざる力は、磁場と同じだ。あんたは災いを引き寄せるんだよ」
「わからない」
「なるほど、これでは絹糸あたりの者でなくては守りきれないね」
「わからないんだ」
「なぜ自分という存在が世に生まれたか、知りたいのかい?」
「・・・・・」
一瞬の沈黙の後、門川君は・・・
「知りたい」
そう答えた。
鬼達を見ながら、主さんがちょっと呆れたような声を出す。
鬼達はなんだか、ものすごく嫌なものを見るように主さんを眺めている。
怨霊たちの時みたいに、逃げ出すまではいかないんだけれど。
ずりずりと後ずさりながら、こちらを遠巻きにしてる。
そして気を取り直したように、主さんに向かって威嚇の声を上げて・・・
「ちょいとお黙りっ」
と一喝されて、また後ずさった。
その様子を見ながら、主さんはふぅっと息をつく。
「あんたらゲテモノ好きなのかい?」
「別に好きな訳でも、連れ歩いているわけでも無い」
「そのこましゃくれた物言いは、門川の者だね?」
「君が、沼に住み着いているという白ヘビか?」
するするっと門川君の足元に主さんが近づいてきた。
そして首をもたげて、門川君を下からしげしげと見つめる。
門川君と主さんは、少しの間見つめ合った。
「人の子にしては、有らざるほどの力を持って生まれてきたね」
「・・・わからない」
「尋常ならざる力は、磁場と同じだ。あんたは災いを引き寄せるんだよ」
「わからない」
「なるほど、これでは絹糸あたりの者でなくては守りきれないね」
「わからないんだ」
「なぜ自分という存在が世に生まれたか、知りたいのかい?」
「・・・・・」
一瞬の沈黙の後、門川君は・・・
「知りたい」
そう答えた。


