するするする・・・
静かな、衣擦れに良く似た音。
白く細い体に走る、何本もの極細の金の筋。
濃紅なルビーのような目。
夜目に浮かぶ、一匹の小さな白いヘビ。
あの姿は・・・
「あんた達、戻ってたのかい?」
この声は・・・
この緊張した場に全然そぐわない、のんびりした声は。
門川の沼の主の・・・
「白妙(しろたえ)さんっ!!」
「・・・あたしゃ帰るよ」
そう言うと、するするするっと回れ右してホントに帰り始めた。
うわわ! 忘れてた!
そういえば白妙さんって、名前呼ばれるの大嫌いだったんだっけ!
「主さん! どうしてここに!?」
「あんまり賑やかだから、お祭りでもやってるのかと思ってねぇ。ちょいと覗きに来たのさ」
濃紅の両目をこちらに向ける。
お、お祭りって・・・。
「ところで、あの化け猫はどこ行ったんだい?」
周囲を見回しながら、主さんが聞いてきた。
「絹糸は・・・戦っています」
「ふうん。そういやあっちで、やたらゴロゴロと雷がやかましかったね」
「絹糸・・・・・」
「あいつもずいぶん元気そうだねぇ」
元気って・・・。
そりゃ、元気でいてもらわないと大変な状況なんだけど。
静かな、衣擦れに良く似た音。
白く細い体に走る、何本もの極細の金の筋。
濃紅なルビーのような目。
夜目に浮かぶ、一匹の小さな白いヘビ。
あの姿は・・・
「あんた達、戻ってたのかい?」
この声は・・・
この緊張した場に全然そぐわない、のんびりした声は。
門川の沼の主の・・・
「白妙(しろたえ)さんっ!!」
「・・・あたしゃ帰るよ」
そう言うと、するするするっと回れ右してホントに帰り始めた。
うわわ! 忘れてた!
そういえば白妙さんって、名前呼ばれるの大嫌いだったんだっけ!
「主さん! どうしてここに!?」
「あんまり賑やかだから、お祭りでもやってるのかと思ってねぇ。ちょいと覗きに来たのさ」
濃紅の両目をこちらに向ける。
お、お祭りって・・・。
「ところで、あの化け猫はどこ行ったんだい?」
周囲を見回しながら、主さんが聞いてきた。
「絹糸は・・・戦っています」
「ふうん。そういやあっちで、やたらゴロゴロと雷がやかましかったね」
「絹糸・・・・・」
「あいつもずいぶん元気そうだねぇ」
元気って・・・。
そりゃ、元気でいてもらわないと大変な状況なんだけど。


