神様修行はじめます! 其の二

人によっては、あたしは不幸に見えるだろう。

現世とは異なる世界で、命の危険にさらされながら生きていく。

バカな道を選んだと思われるかもしれない。


それでもあたしは幸せだ。

あたしの幸せは、彼の隣にしかあり得ない。

彼と離れ離れになって、現世に戻ったところで、そんなのは・・・。


あ・・・・・。


「だろう?」

「・・・・・」

「僕がせっかく無理をして現世に帰したのに、力技でこっちに戻ってきた君が言える話か?」


あ、あ・・・。


「しま子が帰りたくなったら、笑って見送ってやればいい」

「・・・・・」

「でもその日までは、しま子の道も幸せも、ここにあるんだ」


あぁ・・・・・。


うん・・・うん。

そうだ。その通りだ。門川君の言う通りだ。


「門川君、あたし間違ってた」

「言ったろう? 人は大切であればあるほど判断を誤ってしまいがちだ」

「・・・うん」

「大切なんだよ。・・・本当に」

「うん」


うん、大切だ。

間違いなく、真実、大切な存在だよ。

大好きな、かけがえの無い・・・


しま子。