神様修行はじめます! 其の二

「違わないし勘違いでもない」

あっさりと彼はあたしの言葉を否定した。

本当に、ものすごくあっさりと、当たり前に否定されてしまった。


「ち、違うの門川君。しま子は滅火の力で無理やり・・・」

「そんな事は知っているよ」

あたしの説明を、またあっさりと途中で遮る。


そうだよ、門川君だって知ってるでしょ?

あたしがしま子を強制的に仲間に引き入れた事。


絹糸は自分の意思で、今、戦っている。

セバスチャンさんも、自分の選んだ道を貫いた。

でもしま子の場合は違う。

この戦いは、しま子の本来の意思でも選択でもないんだ。


だからしま子は、ここで本当の仲間の元へ・・・


「早く行くぞ」

彼はあたしの話を聞かずに、ぐいぐい腕を引っ張って先に進もうとする。

ちょ、ちょっと待って!

あたしは、戦い続けるしま子と彼を交互に見ながら踏みとどまった。


「しま子は、本当は・・・!」

「しま子にとっての『本当』を、なぜ君が決めるんだ?」

「・・・え?」

「自分自身の真実を決めるのはしま子だ。君じゃない」


あ・・・・・。

それは、確かに。

でも、でも・・・


最初から、あたし達としま子の絆は根本から間違っていたのに。

そこからどうやって真実を決められるっていうの?

間違いから始まったのに、真実なんかないよ。

ありっこない。