しま子がすさまじいスピードで飛び出した。
鬼達の集団の中に突っ込んでいく。
こんぼうのような太い両腕で、あっという間に複数の鬼を殴り倒した。
鬼達は体から緑色や青色の血を噴出し、次々とあちこちに吹っ飛んで行く。
しま子は返り血を浴び、咆哮した。
そしてまた鬼達に向かって襲い掛かる。
「しま・・・!」
あたしはあぜんとして、その光景を見ていた。
しま子・・・仲間の所に帰るんじゃなかったの?
そのために本来の姿になったんじゃないの?
なんで攻撃してるの? なんで? なんで?
門川君に腕をグイッと引っ張られ、正気に戻る。
「か、門川君・・・」
「行くぞ」
あぜんとしているあたしとは対照的に、門川君はすっかり冷静な表情に戻っている。
「門川君、しま子が鬼達を攻撃してるよ!」
「ああ、分かってる。この間に行くぞ」
「い、行くって・・・」
なんで、なんでこんな事に?
「なんでしま子は仲間を攻撃してるのっ」
「そんなの簡単に分かるだろう?」
「・・・」
「しま子の仲間は鬼ではなく、僕達だからだ」
門川君は、ごく当然な顔でそう言った。
あたし達が、しま子の仲間。
その言葉はあたしの胸に突き刺さる。
「門川君、それは違うよ」
それは違う。
あたし達の思い込みとカン違いでしかないんだよ。
鬼達の集団の中に突っ込んでいく。
こんぼうのような太い両腕で、あっという間に複数の鬼を殴り倒した。
鬼達は体から緑色や青色の血を噴出し、次々とあちこちに吹っ飛んで行く。
しま子は返り血を浴び、咆哮した。
そしてまた鬼達に向かって襲い掛かる。
「しま・・・!」
あたしはあぜんとして、その光景を見ていた。
しま子・・・仲間の所に帰るんじゃなかったの?
そのために本来の姿になったんじゃないの?
なんで攻撃してるの? なんで? なんで?
門川君に腕をグイッと引っ張られ、正気に戻る。
「か、門川君・・・」
「行くぞ」
あぜんとしているあたしとは対照的に、門川君はすっかり冷静な表情に戻っている。
「門川君、しま子が鬼達を攻撃してるよ!」
「ああ、分かってる。この間に行くぞ」
「い、行くって・・・」
なんで、なんでこんな事に?
「なんでしま子は仲間を攻撃してるのっ」
「そんなの簡単に分かるだろう?」
「・・・」
「しま子の仲間は鬼ではなく、僕達だからだ」
門川君は、ごく当然な顔でそう言った。
あたし達が、しま子の仲間。
その言葉はあたしの胸に突き刺さる。
「門川君、それは違うよ」
それは違う。
あたし達の思い込みとカン違いでしかないんだよ。


