神様修行はじめます! 其の二

今まで聞いた事も無いほどの烈しい咆哮。

地も、周囲の建物や木々も、空も。

全てがしま子の咆哮に振動する。

あたしは、両手で必死に耳を塞いだ。


烈しい雄叫びと共に、しま子の全身がメリメリと盛り上がる。


太い手足が、さらに隆々と盛り上がり。

骨格全体がひと回り以上巨大化した。

目の前で、しま子の身体が変貌していく。


「ガアァァァァ―――っ!!」


どこか苦しげにも聞こえる咆哮。

荒ぶる肢体。

しま子の全身に、大小様々な鋭い棘が飛び出してきた。

周囲に異様な気が高まり充満する。


「ゴオォォォ・・・・・」


しま子の口から、低い響きと臭気が吐き出される。

見た事も無いほどの、その苛烈な表情。

恐ろしい姿に変貌してしまったしま子。

これが、しま子? しま子本来の姿?


怖い・・・。けど・・・。

どこか神聖で、気高ささえ感じる姿。


これが・・・神にも近い、しま子の真の姿なんだ。