神様修行はじめます! 其の二

そんなの本当の仲間じゃない。

あたしにとってしま子は大切な仲間だけど。

しま子にとっては、そうじゃない。

しま子の本当の仲間は、本来いるべき場所は・・・。


「しま子」

「うああ~」

「戻っていいんだよ?」


何度も首を傾げてあたしを見るしま子。

胸の奥がギリギリと痛む。

安心できる存在。信じられる存在。

ほんわりと温かかった、しま子の腕や胸。


あたしの大切な・・・大好きな大好きなしま子。


失いたくない! 別れたくない! でも・・・。



仲間の所に戻っていいんだよ?


ごめんね。あたしのせいで辛い思いをさせてしまって。

今までひどい仕打ちをしてしまっていたんだね。

勝手に、しま子はこっちにいるのが一番いいんだって思い込んでた。


仲間の鬼達は、しま子が人間側にいるのが許せないんだ。

だからきっと、しま子が戻りさえすれば納得してくれる。

しま子は操られていただけなんだもの。

ちゃんと受け入れてくれる。


それが果たされれば、鬼達は引き下がる。

鬼達は、しま子をエサにした人間に利用される形で、ここに集められた。

でも目的さえ果たされれば、使役されてもいない鬼がここに留まる義理は無い。


しま子は仲間の元へ帰り、鬼達は引き下がる。

全ては丸く収まる。

収まるべくして・・・収まるんだ。