神様修行はじめます! 其の二

あたしが、滅火の炎でしま子の心を変えてしまったから?

そのせいでしま子は、仲間から敵対されてしまった?


あたしの記憶に、以前読んだ本の内容が浮かび上がる。


白いカラスの話だった。

突然変異で、体が白く生まれてきたカラスの話。


白い体は、自然界では目立ってしまうため、生き残る確率が低い。

その上、仲間から異端者扱いされ排除されてしまう。

攻撃され、決して受け入れてはもらえない。


仲間に傷付けられ、うずくまる姿が痛々しかった。

ひとりぼっちの姿が悲しかった。


仲間って、すごく大切で大事なものだ。

しま子はあたし達の仲間。

それは絶対に間違いない。

でも、しま子が鬼である事も間違いない事実。


あたしが人間に生まれて、人間として生きる事を止める事ができないように。

しま子も鬼である事をやめられない。


なのに鬼達の仲間から、しま子は受け入れられない。

完全に拒絶され、侮蔑され、攻撃を受ける。


もしもあたしが、しま子の立場だったら?

この世の全ての人間から、排除されて攻撃されたら?

自分の存在そのものを拒絶されてしまったら?


そんな事、とても耐えられない。

人である事を止められないのに、人の社会からは絶対的に拒絶されてしまうなんて。