神様修行はじめます! 其の二

「鬼だ!」

「おに?」

あたしは、しま子を見た。

鬼って、しま子も鬼だけど? 門川君が使役してるんでしょ?

なにをそんなに慌てて・・・


「説明は後だ! とにかくすぐに・・・」

門川君の声が終わらないうちに、地面から多数の鬼達が奇声と共に飛び出してきた。


赤鬼、青鬼、緑鬼。

二本の角や一本角。

一つ目、二つ目、三つ目。

奇声と唸り声と嬌声。


大きい者、小さい者、さまざまな鬼達が次々と地面から飛び出してくる。


「逃げるぞ!」

門川君があたしの腕をつかんで走り出した。

でも、目の前の地面からも鬼がどんどん飛び出してくる。

あれよあれよという間に、たくさんの鬼達に囲まれてしまった。


「に、逃げるって何で?」

ここの鬼達って、門川の術者に使役されてる鬼なんでしょ?

なら、門川君の命令一発で・・・


「お手でもお座りでもするんじゃないの?」

「するわけ無いだろう! この鬼達は使役されてはいない!」

「使役されてない!?」


じゃあ、この鬼達って全員フリーなの!?

いわゆる、昔話に出てくるような極悪非道そのものの?

・・・・・。

それってかなりヤバイんじゃない!?