神様修行はじめます! 其の二

鬼の手が、しま子の足首をぐいっと引っ張った。

「うがあぁっ!」

しま子が叫び声を上げた。


どれほどの剛力で引かれているのか、しま子の片足が地面の中に引きずり込まれていく!

しま子!!


あたしは慌ててしま子の腕をつかんで、引っ張り上げようとした。

全力で腕を引っ張る。

でも、しま子の体は容赦なくどんどん地面の中に引きずり込まれていく。


・・・うわぁ、だめだ! 抵抗できない!

このままじゃ引きずり込まれるっ!!


門川君が両手で印を結んだ。

白い光と共に、両手が輝く。

印を結んだまま、彼はしま子の足元辺りの地面を強く殴った。


ドンッ!! と鈍い振動が、足元から身体に響く。


途端に、しま子の体が軽くなった。

やった! 今のうちに・・・!

あたしと門川君は、急いでしま子の体を引っ張り上げる。


地面から抜け出したしま子のヒザから下は、青白い、ぬらりとした液体でベットリ濡れていた。

それを見た門川君の表情が険しくなった。


「急げ! 天内君、しま子! すぐにこの場を去るぞ!」

「え? え? どうかしたの?」


そりゃ、こんなところに長居するつもりは最初から全然無いけど。

なにをそんなに慌ててるの? 門川君?