しばらく走っているうちに、周囲が見覚えのある景色になってきた。
ここ、確かに記憶にある。前に来た事がある。
奥方の住んでいる別棟だ。
ついにここまで来た。
暗がりにさえも鮮やかな、色とりどりの花の咲く庭木。
巨大で立派な黒光りする庭石。
広大な庭のどこを見ても、全てが感心するほどの豪華さ。
やっぱり間違いない、奥方の別棟だ。
立派な庭を走り続けていると、渡り廊下が見えてきた。
「あそこだ」
門川君が、その渡り廊下を指差す。
そうだ。あの先に奥方がいるんだ。
あの先に・・・。
「行こう」
彼の言葉に、あたしとしま子がうなづく。
そして渡り廊下に向かい始めた途端、しま子の体がグラリと傾き倒れた。
「しま子っ? どしたの大丈夫?」
起き上がろうとしたしま子が、またよろけて転んだ。
どうしたんだろう、立てないのかな?
さっき倒れた時に足でも挫いて・・・?
・・・・・っ!?
地面から、一本の手が出ていた。
その手が、しま子の片足の足首をがっしりとつかんでいる。
節くれだった、巨大な手。
五本の指には鋭く長い爪。
恐ろしい鬼のような長爪。
そう、それは、まさしく鬼の手だった。
ここ、確かに記憶にある。前に来た事がある。
奥方の住んでいる別棟だ。
ついにここまで来た。
暗がりにさえも鮮やかな、色とりどりの花の咲く庭木。
巨大で立派な黒光りする庭石。
広大な庭のどこを見ても、全てが感心するほどの豪華さ。
やっぱり間違いない、奥方の別棟だ。
立派な庭を走り続けていると、渡り廊下が見えてきた。
「あそこだ」
門川君が、その渡り廊下を指差す。
そうだ。あの先に奥方がいるんだ。
あの先に・・・。
「行こう」
彼の言葉に、あたしとしま子がうなづく。
そして渡り廊下に向かい始めた途端、しま子の体がグラリと傾き倒れた。
「しま子っ? どしたの大丈夫?」
起き上がろうとしたしま子が、またよろけて転んだ。
どうしたんだろう、立てないのかな?
さっき倒れた時に足でも挫いて・・・?
・・・・・っ!?
地面から、一本の手が出ていた。
その手が、しま子の片足の足首をがっしりとつかんでいる。
節くれだった、巨大な手。
五本の指には鋭く長い爪。
恐ろしい鬼のような長爪。
そう、それは、まさしく鬼の手だった。


