神様修行はじめます! 其の二

それを合図のように、門川君は走り出す。

しま子もあたしを抱えながら走り出した。

行くべき場所へ向かって。


「待って! 待って永久様っ!!」

お岩さんが、あたし達の後を追って走り出した。


「お願いだから行かないで!!」

泣き叫ぶお岩さんの声。

その足元に、ツタが絡まった。

足をとられて、お岩さんがその場に倒れこむ。


セバスチャンさんが、最後の力でお岩さんを止めた。

あたしの視界が涙でかすんで、お岩さん達の姿がぼやけた。


「いやあぁぁっ!! お願い助けて!!」

狂ったような悲鳴が耳をつんざく。

こちらに向かって差し伸べられる、血に染まった長手袋。

赤く染まってしまった白いドレス。

泣き、わめき、暴れ、救いを求める姿。



その姿も声も、どんどん遠ざかっていく。

声を上げてしゃくり上げるあたしから、どんどん・・・どんどん・・・



「ぎゃあああっ!!! 遥峰!! 目を開けてえぇぇっ!!!!」



天を揺るがすほどの絶叫が響いた。


そして・・・人が発するとは思えないほどの、すさまじい悲鳴が鳴り響き続ける。


苦痛 悲しみ 絶望 終焉


全ての限界を超えた声。



その声に包まれながら、あたし達は走り続けた。