神様修行はじめます! 其の二

譲れないものを守りきった人々の、証になるから。

だから彼は選んだんだ。


自分にしか背負えない重荷を、生涯、背負い続けて生きる事を。



ゴプッと音をたてて、セバスチャンさんが大量に血を吐いた。

限界まで両目を見開き、全身を痙攣させる。


それは断末魔の苦しみだった。


「遥峰っ!!!」

お岩さんがセバスチャンさんの体を押さえる。

当主さんが駆け寄ってきた。

その光景を横目に、門川君は歩き始める。


「天内君、しま子、行くぞ」

「・・・・・・・」


体が、動かなかった。

行かなきゃならない事は、いやってくらい分かってる。

ここで今、ぐずぐずしたところで結局、あたしは彼と共に行く。

分かってるのに・・・


体が地面に縫い付けられたように動かない。

今、死にかけているセバスチャンさんのそばから。

半狂乱のお岩さんのそばから。

無言で、それを見守っている当主さんのそばから。


どうしても体が動いてくれない。


「しま子」

門川君の声に答えるように、しま子があたしの体を抱え上げた。