神様修行はじめます! 其の二

強風に乗って獣人達の血が舞い散る。

みんな、恐れたような表情で氷龍を見ていた。

その視線を受けながら、龍は堂々と身を翻し、地上に降りてくる。

そして門川君の後ろに着地した。


門川君は龍を後ろに従えて、はっきりと言った。

「僕は・・・先に進む」


お岩さんの息を呑む音が聞こえた。

あたしは・・・震える手をぎゅっと固く握り締め、耐えた。


「僕は進まなければならない。いや、進む事を望む」


門川君は選んだんだ。


彼は先に進まなきゃならない。

彼には、絶対にやらなければならない事がある。

彼にしか出来ない、そして今をおいては成す事ができない事が。


彼には許されないんだ。

セバスチャンさんの命を想って、ここに留まる事は。

他の誰が許されるとしても、彼にだけはそれが許されない。


人の命を束ねて、門川へ戦いを挑む事を決意した彼だけは。

人の願いと希望を抱えて、先頭に立つ彼だけは。


そして・・・

犠牲になった命を抱えて生き続けなければならない。

遺された人の恨みを背負って、生き続けなければならない。

なにがなんでも、なんとしてでも、生き続けなければならない。


それが・・・彼の命こそが証になるから。