神様修行はじめます! 其の二

「永久様、どうか行って下されや」


止まない獣人達からの攻撃。

絶え間ない戦いの喧騒。

争いの声と血と土煙と夜の闇の中、当主さんが迎え撃つ。

そして静かに、でもしっかりと力強く言い放つ。


「ここで立ち止まったら、あんた、永世様に何て言い訳するだ?」


門川君の表情が苦しそうに歪んだ。

彼はうつむいて、ギリギリと歯軋りする。

その横でお岩さんが、必死にすがりついて叫び続ける。


「永久様! 遥峰を助けてくれるわよね!?」

「・・・・・・・」

「見捨てないわよね!? 遥峰を・・・見殺しにしないわよね!?」

「・・・・・・・」

「お願いだから早く助けてっ!!」


悲痛な叫びを聞きながら、彼の両目はぎゅうっと閉じられる。

その両肩がかすかに震えた。

門川君の心の中が、嵐のように、惑い荒れ狂っているのが分かった。

・・・あたしの心もそうだから。


・・・・・

進むべき、なのだろう。

ここは、彼らの言う通り先に進むべきなんだろう。

それが正しい道なんだと、思う。

でも・・・


でも、正しいって・・・なに?

それがなんなの?

正しければそれでいいの? 正しい事が全てなの?