神様修行はじめます! 其の二

お岩さんが悲鳴を上げる。

「なに言ってんのよ! このままだとあんた死ぬのよっ!?」

「わたくしめは、よろしいのです・・・」

「良くないわよ! いいわけないじゃない!!」


門川君が、セバスチャンさんの手を振りほどこうとした。

でもセバスチャンさんは意外なほど強い力で、門川君の手を握ったまま離そうとしない。


「セバスチャン手を離せ。僕が治療する」

「永久、さま・・・ いいえ・・・」

「いくら権田原の民の生命力が他と比べて驚異的に強いとはいえ、この傷では致命傷だ」

「いいえ・・・永久さま、いいえ・・・」


セバスチャンさんは、首を振ってあくまで拒絶する。

その間にも、口と傷口からはどんどん血が溢れていく。

こんなにも人間の体には、血が流れているのかと思うくらい。


セバスチャンさんの顔と手から、血の気が失われていく。

見る間に白く、青く変化していく。

生きている人間の持つ温かみが、急速に抜け落ちていく・・・。


それでもセバスチャンさんの目から力は失われない。

逆に強烈な意思を持って光り、門川君を見つめている。


彼は、はっきりと自分の意思で治療を拒絶していた。


「手を離すんだセバスチャン」

「いいかげんにしてよ! 遥峰!!」

お岩さんが、セバスチャンさんの手を門川君から引き剥がそうとした。

でも、その手はしっかりと門川君の手を握り締め、決して離そうとしない。