神様修行はじめます! 其の二

「いやああああぁぁっっっ!!!」

お岩さんがセバスチャンさんの体に、覆いかぶさるようにすがり付いた。


「いやあっ!!! しっかりして遥峰(はるみね)っ!!」


セバスチャンさんの頬を両手でつかみ、見開かれた目を覗き込むように絶叫する。

セバスチャンさんは、何か答えようとして唇を動かした。

でもそれは音にはならず、噴き出す血となって口元を染めた。


「死なないで! 遥峰えぇ――っ!!」

「門川君―――っ!!」


門川君が飛ぶようにこっちに駆け寄ってきた。

早く! 早く門川君!! 急いでっ!!

早くセバスチャンさんを治療してぇっ!!


門川君が正座をして、目を閉じて素早く両手で印を組む。

瞬く間に周囲に白い輝きが充満して・・・


「だめだっ! 永久様っ!」


鋭い声が聞こえた。

みんな、声の方向を見る。


声の主は当主さんだった。

両手で印を組み、術を発動して獣人達を倒し続けながら叫ぶ。


「治癒の術を発動している時間はねぇだ! 先に行ってくれ!」

「な・・・何言ってるのよ! お父ちゃん!」


お岩さんが金切り声で返した。

「遥峰が死んじゃうよっ!!!」