神様修行はじめます! 其の二

「こんなの正しい事じゃない! 絶対に間違っている!!」

涙声で叫んだ。

間違ってる! 間違ってるんだよ!

間違ってるんだから、これでいいはずがないんだ!

この事態を黙認していいはずがないんだ!


「それが『過ち』なのです」

セバスチャンさんの静かな声。

獣人達を殺し続ける手を決して休めない、その背中。


「過ちから生まれるもの。その答えがこの現実なのです」

「だからオラ達は立ち上がったんだべ?」

「間違った事に泣く者を救うために、門川を変えるのでしょう?」


涙に光る目で、お岩さんはあたしの目を覗き込んだ。


「だから、行ってアマンダ。永久様と共に。・・・お願いよ」


お岩、さん・・・・・。



その時。

お岩さんを見つめるあたしの目の端に、一瞬黒い影が映った。

ほんの、ほんの一瞬の出来事だった。



次の瞬間、お岩さんの片頬に赤いしぶきが飛んだ。

艶々と真っ赤に染まるしぶきが。


え? という表情でお岩さんが後ろを振り返る。

あたしもお岩さんのすぐ後ろの影を見る。


「・・・セバスチャン?」



セバスチャンさんがこちらに背を向け、両手両足を広げて仁王立ちしていた。


背中から、真っ赤に染まった獣人の片手が突き抜けていた。


セバスチャンさんが、その腹を完全に貫かれ、血まみれになって立ち尽くしていた。