神様修行はじめます! 其の二

頭上の木々の枝がざわめき、激しく揺れた。

たくさんの影達が飛び降りてくる。


それらの影は全て、様々な姿をした獣人達だった。


鋭い目。手足の鈍く光る爪。

知性の宿った表情と、長い牙。

体毛に覆われた体。

四つん這いの者、二本足で立つ者。

羽の生えた者。


多種多様な姿で、ひとつだけ共通するもの。

それは・・・


憎悪。

あたし達に向ける恐ろしいまでの憎悪だけが、彼ら共通の印だった。


怨嗟の念に囚われ、襲い掛かってくる。

その体をツタが貫く。

アリ地獄が地中に飲み込む。

押し潰され、締め付けられ、喰われ、死んでいく。


次々と、門川による犠牲者たちが無残に死んでいく。


「やめて―――――っ!!」

あたしは必死の思いで獣人達に向かって叫んだ。


「みんな思い出して! お岩さんだよ! 当主さんだよ! セバスチャンさんだよ!」


みんな覚えているでしょう!?

生まれた時からずっと一緒だったでしょう!?

ずっと育ててくれたでしょう!?

ずっと愛してくれたでしょう!?


みんなも、みんなもずっと愛していたんでしょう!?