神様修行はじめます! 其の二

「・・・すまない」

門川君が、搾り出すような悲痛な声で謝罪した。


彼は、お岩さん、当主さん、セバスチャンさんを見た。

そして最後に、猿人達を見る。


「本当にすまなかった」


門川君は、権田原を美しい場所だと言っていた。

本心からそう思っていた。

どんな気持ちで・・・あの言葉を言っていたんだろう。


その美しい場所の、美しい生き物達が、どんな目に遭っているかを知っていて・・・。


それを止める手立てが、彼には無かった。

奥方によって、彼の動きは完全に制御されていたし。

彼自身、自分が生き延びるだけで精一杯だった。


権田原の人達に状況を暴露した所で、当時の彼には何も力にもなれなかったし。

火種をおこすだけおこして、後は知らん振りなんて事は・・・。

そんな事は、とてもできなかったんだろう。


言いたくても、言えない。そんな事はとても言えない。

権田原の民の姿を見ながら、申し訳ない気持ちで一杯だったんだろう。



猿人達は、黙ってこちらを見ていた。

その目には明らかに憎悪がこもっていた。

静かに、音も無く、憎しみの青白い炎が揺れている。

何をもってしても、どんなに許しを請うても・・・

決して消える事無い怨嗟の炎が。