神様修行はじめます! 其の二

待っているんだからね!

必ず・・・必ず来てよ! 約束だよ!


ジリジリと間合いを詰めていく絹糸と金の獣。

両者の間の緊迫した空気が、どんどん膨張していく。


もう絹糸の目には、金の獣の姿しか見えていないだろう。

あたしの声も聞こえていないかもしれない。

でも、あたしはひときわ大声で叫んだ。


「約束だからね! 破ったら針千本飲ますんだからね!」


それが嫌なら、絶対に約束守ってよ! 絹糸っ!!


あたしは門川君の後を追い、走り出した。




「約束など、した覚えは無いがのぉ」


複数の足音が遠ざかっていく。

まったく人間というものは、勝手な生き物よ。

いつの時でも、我に何かを勝手に押し付け去っていく。


「針千本」か。

それはナオの口癖じゃった。

どこまでも、あの男に似た娘よのぉ・・・。


百年守ってみせると、あの男は我に誓った。

そしてそれは嘘ではなかった。

ならば・・・


「我とて、守らねばなるまいよ」


少なくとも諦めるわけにはいくまい。