神様修行はじめます! 其の二

じゃ、じゃあ・・・

「門川君って、常に氷系の術を垂れ流し状態なわけ?」

「やめてくれないか、その表現は」

彼が嫌そうに顔をしかめた。


「僕だって無意識なんだから仕方ないだろう?」


つまり、氷系の術に限ってなら、いつでもスタンバイOKってわけだ。

そういえば、聖域の洞窟で狐面と戦った時。

あの時も、氷系の術は一瞬で発動してた。

しま子を蘇生しつつ、あれだけの大技を同時に。


・・・・・。

なんか、もう・・・すごすぎて呆れた。


すごいっていうか、反則技ギリギリじゃんそれ。

言霊師の最大の弱点が、彼にとっては無いに等しいんだもん。

感嘆するのと同時に、ちょっとズルいと思うのはあたしだけ?


「そうでなければ、幼い頃より今まで生き延びてはこられなかった」


彼のその言葉が、胸にツキンと刺さった。

門川君を守り、生き長らえさせてきたもの。

そのひとつは、お母さんの血だったんだね・・・。


「皆様、先を急ぎましょう。短期決戦が勝利のカギです」


セバスチャンさんが、みんなを急かした。

そうだ。急がなきゃっ。

権田原のみんなが頑張ってくれてる間に、奥方とカタをつけないと!