神様修行はじめます! 其の二

門川君があたしをチラリと見て、片眉を下げた。

「相変わらず失敬だな、君は」

「そうですわよアマンダ! 暴言ですわ!」

お岩さんが口からツバを飛ばす勢いで抗議してくる。


「永久様になんてこと言うんですの!?」

「だ、だってぇ・・・!」

だって、あまりにも非常識なんだもん!

いったいどっから出てくるのよ、この力って!

ちょっと普通じゃ考えられないよ!


「母方の血じゃよ」


考えられない現象の答えを、絹糸があっさり教えてくれた。

血? お母さんの血?


「永久の母は、氷血の一族の術者だったのじゃよ」

「それは知ってるけど・・・」

「言霊師は、大技になるほど術の発動に時間がかかる。精神の集中や言霊の詠唱にのぉ」


確かにその通りだ。

治癒や蘇生、召喚。

それらの大技は門川君も、それなりに時間がかかってた。


「じゃが永久にとって、氷系の術は自分の血そのもの。無理やりどこかから引っ張って発動するものではない」


「僕は氷系の術なら、ほぼ無意識に発動できるんだよ」

「というよりも、常に無意識に発動し続けている状態じゃのぉ」


常に微弱に・・・。

思い当たる。

彼の体からは、常に冷気が伝わってくる。

いつでもどんな時でも、彼の指や胸はヒンヤリと冷たい。