神様修行はじめます! 其の二

思わずパチパチと子猫ちゃんに拍手を送った。

よし! これで戦況は互角だ。充分に門川と渡り合って戦える!


突然、大きな飛来音が頭上の空気を揺るがした。

なにっ!!? この音は!?


黒い何かが、こちらに向かって大量に空を飛んでくる。

細い短い棒? ものすごい量の、あれは・・・


弓矢だっ!!


あたし達に向かって、黒い大群となって降りかかってくる!!


一瞬で頭が真っ白になった。

逃げる? 隠れる? どこへ?

とっさの事に体が動かない。

弓矢はこの瞬間にもぐんぐんと接近してくる。

視界を覆うほど、刃先の光が確認できるほど近づいてくる。


このままじゃ全員串刺しだ!!

門川君! 門川君を守・・・!



『氷棺にて眠れ。身を震わし、心砕かん』



白く強烈な輝きが門川君の全身から放たれる。

眩し・・・っ!!

思わず両手をかざして光から目をガードする。

指の隙間から、彼の姿が見えた。


背筋を伸ばして立ち、印を組んでいる。

氷のように冷静な目が静かに閉じられ・・・

周囲に不可思議な力が充満した。