神様修行はじめます! 其の二

南国鳥のような、鮮やかな鳥たちが空を覆っている。

その美しさに似合わぬ鋭い爪、くちばし。

その両方から、権田原の民たちの血が滴り落ちてくる。


地上の獲物に狙いを定め、急降下してくる。


権田原のニワトリ達が、一声鳴いた。

その体が変貌していく。

見事な鶏冠、肉髯、大きな羽、長い尾。

白い鳳凰のようだ。


南国鳥達を迎え撃ち、空中で激しくぶつかり合う。



あたしは呆然とその光景を見ていた。

す・・・すごい。

みんな・・・みんなすごい!!

門川に対して、互角に戦っている!!


統制の取れた動き。無駄のない攻撃。

前もってセバスチャンさんの指示は受けているんだろうけど・・・。

それにしたって、これが初めての戦いだなんて、とても思えない!


権田原の民も、神の一族なんだ。

異形のモノと戦う者が、神の一族。


皆、戦えるだけの能力を持っているんだ。


ただ、彼らにとっての神の証は「命を育む民」。

戦いを望まないから、力を使わないだけで。

能力そのものは、消えることなく錆びることなく連綿と受け継がれているんだ。


「嬢ちゃん、だから言ったべ?」

「セバスチャンが大丈夫だと言えば、本当に大丈夫なんですのよ」