しっかりと地面を踏みしめて前に進む。

門川君の背中は揺ぎ無い。

門川君だけじゃない、ここにいる全員がそうだ。


出口に近づくにつれて、何かが聞こえてきた。

・・・なんだろ? なんの音?

いろんな音が入り混じってる。人の・・・


叫び声っ!?


あたし達は顔を見合わせ、走った。

出口の下に集まり、上を見上げる。

激しい喧騒が聞こえてきた。


「もう始まってますわっ!」

「どういう事だべっ!?」

当主さんとお岩さんが叫んだ。

予定では、あたし達が配置についてから決起のはずだったのに!?


門川君と絹糸、そしてセバスチャンさんがお互いの顔を見合わせた。


「計画が狂ったようじゃのぉ」

「不測の事態が起きたんだろう。つまり・・・」

「抱き込んだ誰かが、裏切ったようですね」


裏切った!!?


「我々よりも、奥方側の方が勝算があると判断したのでしょう」

「門川の未来より、我が身の栄達に目が眩んだのじゃろうよ」


な・・・そんな・・・!?

つまり、あたし達の事を奥方にチクッたってわけ!?