これもある意味、平常心ってやつかね?

気合は充分みたいだから、まぁいいか。

ローブデコルテだろうが加賀友禅の振袖だろうが、闘志があるなら問題なしだ。



「抜け道の出口を増やし、複数箇所から一斉に攻撃を始めます」

セバスチャンさんが歩きながら説明してくれた。


「反撃が拡散されている隙に、我々本隊が一気に攻め込みます」

「大丈夫かなぁ・・・」


本隊って言っても・・・

門川君とあたしと、絹糸としま子。

当主さん、お岩さん、セバスチャンさん、子猫ちゃん。

これだけの人数で大丈夫?

あ、ジュリエッタ達もいるけどさ。


「大丈夫でございますよ。本隊が最も戦闘力が高い編成ですから」

「でも・・・」


だと逆に、他の隊は大丈夫?

権田原の民は、基本、非戦闘民族だし。

こっちにばかり攻撃力が集まったら・・・。


「嬢ちゃん、心配ねぇだよ」

当主さんがニコニコと笑顔で答えた。


「権田原だって立派に戦えるだよ」

「我々も神の一族の端くれでございますから」


当主さんもセバスチャンさんもそう言うけど・・・。

いつも農作業する姿しか見てないから、やっぱり心配だよ。

大きな被害が出たらどうしようとか、考えちゃう。