上機嫌のお岩さんと、プンッと膨れるあたしを見比べながら、セバスチャンさんが頭を上げた。
「お二人とも、そろそろお部屋でお休みになられてはいかがでしょう?」
「そうね。少し休みますわ」
お岩さんが、あたしの所まで駆け寄ってくる。
「アマンダも、戻ってお休みになってね。軽く仮眠をとると良いですわ」
「うん、そうするよ。でも・・・」
「なんですの?」
「お岩さんも、門川君と一緒にあたし達と休まない?」
「・・・・・・・」
お岩さんは軽く首を傾げて、あたしをじっと見つめた。
そして、にこりと微笑んだ。
「ありがとう。でも、わたくしは権田原当主の娘です」
「・・・・・」
「父と、セバスチャンと、権田原の民と共に過ごしますわ」
それじゃあ、また後で。
そう言ってお岩さんは手を振った。
そしてドレスの裾を引きずりながら歩いていく。
あたしは、その後姿を見送りながら思った。
お岩さんは、えらいって。
こんな特別な時、あたしだったら何はさておき、好きな人と一緒にいたいと思う。
女の子なら、きっとみんなそうだ。
でもお岩さんは、個人の感情よりも自分の公の立場を優先してる。
「お二人とも、そろそろお部屋でお休みになられてはいかがでしょう?」
「そうね。少し休みますわ」
お岩さんが、あたしの所まで駆け寄ってくる。
「アマンダも、戻ってお休みになってね。軽く仮眠をとると良いですわ」
「うん、そうするよ。でも・・・」
「なんですの?」
「お岩さんも、門川君と一緒にあたし達と休まない?」
「・・・・・・・」
お岩さんは軽く首を傾げて、あたしをじっと見つめた。
そして、にこりと微笑んだ。
「ありがとう。でも、わたくしは権田原当主の娘です」
「・・・・・」
「父と、セバスチャンと、権田原の民と共に過ごしますわ」
それじゃあ、また後で。
そう言ってお岩さんは手を振った。
そしてドレスの裾を引きずりながら歩いていく。
あたしは、その後姿を見送りながら思った。
お岩さんは、えらいって。
こんな特別な時、あたしだったら何はさておき、好きな人と一緒にいたいと思う。
女の子なら、きっとみんなそうだ。
でもお岩さんは、個人の感情よりも自分の公の立場を優先してる。


