「綺麗な星空だね」

「あぁ、明日も晴れるな」

二人揃って、夜空を見上げる。


「ここは美しい場所だ。門川のように、作り物じみていない」

「作り物?」

「門川は、自分達に都合の良いように、全てを捻じ曲げているんだ」


宙を舞う錦鯉。

しゃべって動く、木彫りの鳥。

人を襲う、紫色の兎。

使命の為に生まれ、ただ死んでいく座り女達。


「もちろん、それはその必要があるからだ。でも・・・」

「生まれたままの姿は、一番美しいのかもね」

「あぁ、そう思うよ」


自然に生まれて、自然に生き、自然に逝く。

それがここにはある。

それはとても価値があり、かけがえなく美しい。

でも・・・


「あたしは門川も綺麗で好きだよ」


みんなで眺めた夜の庭。

じー様が、ロデオよろしく乗り回した伝書亀。

純粋で、けな気な小人さん達。