あたしはみんなに笑顔でうなづいた。

そして立ち上がり、彼の後を追った。

自分にできる事をするために。



門川君、どこかな。

もう部屋に戻って休んでるかな?


・・・・・あ、いた。


彼は、縁側に立っていた。

薄暗がりに、そのシルエットが浮かんでいる。


両腕を組み、星空をじっと眺めている。

秀麗なその姿。

でも、顔つきはとても厳しかった。


・・・胸の中で何を思っているんだろう。


門川の長い歴史の中で、初めての異常事態。

自分が、その渦の中心人物。

全てを率いて、全てを背負い、決起する。


両肩にどれほどの重さを感じているんだろう。

勝つにせよ、敗れるにせよ、彼の名は明日になれば歴史に刻まれるんだ。

・・・ううん。

負けないけどね、絶対に。


「門川君」

「・・・・・君か」


あたしを見て、厳しい瞳が優しい色に変わった。

ほんの少しの変化だけど、それがあたしには分かった。