神様修行はじめます! 其の二

「だから、目覚めたときには心底驚いた」


門川の沼の水の中で目覚めたとき。

君の姿を見て、これは幻だと思った。

君を求めるあまり、ついに幻覚まで見るようになったかと。


しかもあの時、気を失った君を見て・・・

僕は、君が死んだと思った。


まさに悪い夢だと思った。

早く醒めてくれと願ったよ。


「早く醒めてくれないと、気が狂ってしまいそうだったから」

「気が・・・?」

「あぁ。それほどまでにあの光景は恐怖だった」


その時、思ったんだ。

君を失う事は、僕には耐えられないんだと。


君の姿が見えないだけで、あんなにも苦しかったのに。

君の命を失ったら・・・

目の前で、君が死んでしまったら・・・


耐えられない!

そんな事、絶対に僕には耐えられない!!


やはり君は現世に帰るべきだと確信した。

君は、ここに居てはいけない。

ここに居ては君は必ず不幸になる。