「さて、帰るとするか。夜風は体にこたえるわい」

「絹糸、じ様くさーい」

「じ様と言うな! じ様と!」

「だって、すごくじ様っぽいよぉ」

「じ様は子は産まぬぞ!」


あたし達は笑いながら歩き出した。

その先に、門川君が待っていた。


「・・・行こうか」

何を思っているのか、それとも何も思っていないのか。

彼は無表情で先に歩き出す。


あたし達はその後を着いていった。



今のあたし達の現状って、結構シビアだ。

割とお先真っ暗な状況なんだけど。

それでも、笑える。みんな一緒に。


みんなと一緒なら、幸せだ。

幸せなら、何とかなるかもしれない。


かなりお気楽な考えなんだけれど。

これがあたしなんだし、仕方ない。

これが、あたしの役割なんだろうな。