「永守の遺体は還らなかった。異形のモノに喰われたらしくての」
永久の母親と共に戦い、そして逝った。
髪の毛一本も。
爪のひとかけらさえも。
何も・・・何ひとつ遺さずに・・・。
「本当は、あの時こう言いたかったのであろう。『華子と永継も守ってくれ』と」
だが・・・。
とても、そんな事を頼める状況では無かった。
すでに後継者争いは激化していて。
華子は、我々を完全に拒絶しておったからのぉ。
頼みたくても・・・頼めなかったのであろう。
言えない想いと願いを我に託し、永守は逝った。
「人間とは、ほんに勝手な生き物よ」
我を勝手に神と崇めて。
好き勝手な事を言っては、さっさと先に死んでいく。
『最期の願いをきいてくれ』
そう言って願いを遺し、逝ってしまう。
我には何も遺さぬくせに。
髪の毛一本も、爪のひとかけらさえも・・・。
永世の夫も、永守も。
永世も、ナオも。
みんな、みんな・・・。
永久の母親と共に戦い、そして逝った。
髪の毛一本も。
爪のひとかけらさえも。
何も・・・何ひとつ遺さずに・・・。
「本当は、あの時こう言いたかったのであろう。『華子と永継も守ってくれ』と」
だが・・・。
とても、そんな事を頼める状況では無かった。
すでに後継者争いは激化していて。
華子は、我々を完全に拒絶しておったからのぉ。
頼みたくても・・・頼めなかったのであろう。
言えない想いと願いを我に託し、永守は逝った。
「人間とは、ほんに勝手な生き物よ」
我を勝手に神と崇めて。
好き勝手な事を言っては、さっさと先に死んでいく。
『最期の願いをきいてくれ』
そう言って願いを遺し、逝ってしまう。
我には何も遺さぬくせに。
髪の毛一本も、爪のひとかけらさえも・・・。
永世の夫も、永守も。
永世も、ナオも。
みんな、みんな・・・。


