あの縁側に座り、あの庭を眺め・・・
我の背を撫でておった。
『絹糸』
『・・・なんじゃ?』
『頼みがあるんだ』
たくましい手が、背を撫で続ける。
温かい手が。
『母上と永久を守ってやってくれ』
『・・・断る』
『頼むよ。絹糸しか頼める相手がいないんだ』
『自分で守るがよいわ』
『そのつもりだったが・・・もう出来なくなる』
『・・・・・』
『どうか、守ってやって欲しい』
頼むよ、絹糸。
そう言って・・・
たくましく温かい手が、我の背を離れた。
歩いて行く。去って行く。
永守が。
我が育てた永守が。
『生きて帰って、自分で守れ。そんな無責任な男に育てた覚えはないわ』
永守は振り返り・・・
笑った。
とても穏やかな温かい目をしていた。
それが・・・
最後だった・・・。
我の背を撫でておった。
『絹糸』
『・・・なんじゃ?』
『頼みがあるんだ』
たくましい手が、背を撫で続ける。
温かい手が。
『母上と永久を守ってやってくれ』
『・・・断る』
『頼むよ。絹糸しか頼める相手がいないんだ』
『自分で守るがよいわ』
『そのつもりだったが・・・もう出来なくなる』
『・・・・・』
『どうか、守ってやって欲しい』
頼むよ、絹糸。
そう言って・・・
たくましく温かい手が、我の背を離れた。
歩いて行く。去って行く。
永守が。
我が育てた永守が。
『生きて帰って、自分で守れ。そんな無責任な男に育てた覚えはないわ』
永守は振り返り・・・
笑った。
とても穏やかな温かい目をしていた。
それが・・・
最後だった・・・。


