「そっとしておくという発想は無いのか?」
「うーん、そうも思ったんだけどさ」
どうしても気になったからさ。
そう言ってあたしは絹糸の隣に座り込んだ。
しま子も、反対側に座り込む。
「でっかいのに挟まれて、落ち着かぬわ」
「絹糸、谷間の白百合みたいで可愛いよ」
「なにを言うておるか」
シッポをユラユラと動かして、溜め息をつく。
そんなあたし達の様子を、門川君が少し離れた場所から見ていた。
「・・・・・」
「・・・・・」
誰も何も言わなかった。
黙って座り込み、ただ暗い景色を見る。
豊かに実った稲。
あぜ道に咲く小さな黄色い花。
ぼんやりと見える山の峰。
静かに響く虫の声。
全てが薄暗がりの中、物静かに浮かび上がる。
「・・・・・なぜ何も聞かぬ?」
絹糸の声が聞こえた。
「うーん、そうも思ったんだけどさ」
どうしても気になったからさ。
そう言ってあたしは絹糸の隣に座り込んだ。
しま子も、反対側に座り込む。
「でっかいのに挟まれて、落ち着かぬわ」
「絹糸、谷間の白百合みたいで可愛いよ」
「なにを言うておるか」
シッポをユラユラと動かして、溜め息をつく。
そんなあたし達の様子を、門川君が少し離れた場所から見ていた。
「・・・・・」
「・・・・・」
誰も何も言わなかった。
黙って座り込み、ただ暗い景色を見る。
豊かに実った稲。
あぜ道に咲く小さな黄色い花。
ぼんやりと見える山の峰。
静かに響く虫の声。
全てが薄暗がりの中、物静かに浮かび上がる。
「・・・・・なぜ何も聞かぬ?」
絹糸の声が聞こえた。


